威厳。

ミシマの苦手なもの。それはゴキです。まあ、得意な人は滅多にいないだろうけど。でも、家族の前ではゴキに敢然と立ち向かう無敵のとーちゃんでいなければならないので、冷静を装いつつ「ゴキ抹殺」のミッションを咄嗟に考え、実行に移さなければなりません。「ゴキ抹殺」は常にとーちゃんの仕事なのだ。そこで逃げ回っていてはとーちゃんの威厳は保てないのだ。とーちゃんは辛いね。
家族の前でない場合は、ちょっとオロオロしますが、それでもやはり「抹殺」を試みます。見つけてしまった以上、抹殺しなければ安心して眠れないからねえ。
昨晩、そういう状況に追い込まれました。深夜二時ごろ、仕事を終えてビール片手にテレビを見ていたときです。台所に奴は現れました。奴と私の距離は３ｍほど、勝手口の上の壁をノソノソと這っていやがりました。壁を這う奴を抹殺するのは難しい。奴を床におろさなければ。「ゴキジェット」をおみまいしてやれ！左手に「ゴキジェット」、右手に丸めた雑誌を持って奴に接近します。狙いを定め、ロックオン！ファイア～！！
ぶっしゅ～～～～～
ゴキジェットの直撃を食らった奴は慌てふためきながら思惑通り壁を降り始めましたが、床には降りず流し台と床の接するあたりを走りこちらへ向かってくる！そこじゃたたけねえんだよ！！
思わず台所から退避した私のあと追うように奴も壁際を走りながら居間へ出て来てテレビのウラへ・・・
既にハアハアと肩で息をしながら次の作戦を考える私。しかし一瞬でもテレビから目をそらすことも出来ず奴の出方を待つだけ・・・
やがて奴はテレビのウラの壁を登り始めた！くっそ～、最悪だ！しかも奴は天井に到達するとそのまま天井を這って私の方向へ！！
ゴキジェットが効いてきたのか、動きはのろくなっていました。しかし、天井ではたたけないし、いつ落ちてくるか分からないのでうかつに近づけない・・・次第に部屋の隅に追い詰められる私。。。どんどん迫ってくる奴・・・
ひええ～、誰か助けてくれ～～～
と叫びそうになったその瞬間、奴は落ちてきました！既に壁を背にして逃げ場の無かった私との距離僅か３０ｃｍ！次の瞬間、右手に持っていた雑誌でイチローよりもすばやく正確な一撃を奴に叩き込む！クリーンヒット！ジ・エンド！
一発でしとめました。その瞬間の集中力は超一流のスナイパー級だったね、きっと。
しかし、汗かいていましたよ、気が付いたら（笑）。

奴の亡骸を処分して、直接触れていないのに入念に手を洗い、改めてビールを飲んで寝室へいきました。私が部屋へ入ってきた物音で目を覚ました女房に「超でっかいゴキがいたんだよ」と言うと「やっつけた？」と聞くので「もちろん」と威厳を保ちつつ、眠りについたのでした。

あ～疲れた。