戦士。

最近、時々お店に来てくれる少年がいます。
名前などはまだ聞いていませんが、中学生ぐらいかと思います。今日も夜７時くらいに一人でやってきたので、おそらく近所に住んでいるのでしょう。
狭いお店の中を行ったり来たりウロウロするその姿を、ミシマはメールを打ちながら微笑ましい思いで見ていました。恐らく彼は、何か聞きたいことがあるに違いない。でもキーボードをカシャカシャ叩いている無愛想そうな店のオヤジに声をかけるのには勇気がいる。ミシマが声をかけるのはカンタンですが、自ら話しかける勇気を！そう思って待っていました。もちろん、最後にはこちらから声をかけようと思っていましたが。
その思いが通じたのか、やがて彼は思い切って「スミマセン」と声をかけて来ました！エライ！君は禁断の世界への一歩を自ら踏み出す勇気を持つ勇士だ！！頬は高潮し、瞬きをこらえるかのように見開かれた大きな瞳。明らかに緊張しているのが見て取れます。

彼の話しがまた良かった。以前来てくれたときに買ってくれたフィギュア（美少女じゃないよ、ドライバーだよ！）についての質問でした。お店にあった同じ商品を見せながら、「この透明の部分を売ってください」ときた！要するにシールド部分ですね。製品には型紙だけが入っていて、透明フィルムそのものは別途調達する必要があります。経験ある大人たちは、それはなんとかするわけで、身の回りにあるものを使ったりもしますよね？でも彼にとっては、シールド用の専用の透明フィルムを買う、と言う選択肢しかなかったわけです。
そこでミシマは、AMCのキットのコクピット前のシールド用に入れる透明フィルムを出してきて、これでよければあげるよ、と言って適当な大きさに切ってあげました。彼はえらく驚いた様子で、「いいんですか！？ありがとうございます！」と喜んでいました。

今日は塗料を買ってくれた彼、なんとピカチュウのお年玉袋から大事そうにお金を出していました。いやあ、彼にとっては塗料一本も大出費なんだろうなあ。そんな彼が、１，２６０円もするフィギュアを買って作っているのだ！無性に嬉しいなあ！！
そうだ、今度来てくれたらリベットを少しわけてやろう。シールド留めるのに使わせてあげよう。彼にとってはリベット一袋はとても割高に思えるだろうからねえ。

頑張れ、若き戦士！！