パニス。

モナコではフリー走行3回目が終了、まもなく予選が始まりますね。
フリー走行3回目はドライからウェットとなったので、あまり順位には意味が無いかと思います。それでも、一貴が9番手だったのは悪い感じはしないですねえ。予選でも是非トップ10入りを果たして欲しいものです。
明日の決勝も雨の可能性があるそうで、まともに戦えばトップチーム以外にはチャンスがない最近の状況から考えれば、たまには荒れるレースも見てみたい。意外なウィナーが出るのも、それはそれで面白いですからね。
雨のモナコと言えば思い出すのは96年。リジェ無限ホンダを駆るオリビエ・パニスが優勝したレースです。最終的にチェッカーを受けたのは3台のみという史上稀に見るサバイバルレースを生き残った職人・パニスの唯一の勝利でした。ミハエルが一周目にポルティエでクラッシュしたのを皮切りに次々とマシンが消えて行き、後半戦をリードしてしたアレジが不運なサストラブルで離脱した後トップに立ったのがパニスだったのです。リジェやプロスト、トヨタなどでエースドライバーとして活躍したパニスですが、良い意味で目立つことのない地味な印象のドライバーでした。多くを語らず、自らの仕事を高い次元で黙々とこなす、と言う姿勢が感じられ、「男は黙ってやるべきことをやる」姿がかっこ良かった。やや速さが衰え始めてからはテストドライバーとしてチームにとどまり、レギュラードライバーのために働いていました。永年、エースドライバーだった男が、同じチームでテストドライバーを務めるなんて、いかにもパニスらしい。力が衰えたことを自認せず、レースドライバーに留まるために口先だけは達者な某ドライバーより全然カッコ良かったなあ。パニスがモナコで勝てたことは、確かに幸運だったかもしれないですが、でも勝ったのがパニスでよかったと思わせる何かがありますよね。

もしも荒れたレースになるなら、後年「彼が勝って良かった」と思われるドライバーに勝って欲しいですね。

お、予選が始まる！